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パルスオキシメーターについて
 パルスオキシメーターについて詳しく記してみました。
[2008/03/04]

【パルスオキシメーター】ってなあに?

動脈の血液というのは酸素を沢山含んでいるため赤い色をしています。
これを利用して、爪の毛細血管に二種類の赤い光線を当て、その光線の吸収具合で、酸素が多いか少ないかを判定するというのが、パルスオキシメーターです。

血液の中にヘモグロビンという酸素を運ぶ蛋白があり、それに酸素が沢山ついている程赤くなり、酸素が少なければ少ない程赤くありません。その原則を応用して、パルスオキシメーターは、血液を採らないで爪に光線を当てて、血液に含まれる酸素の度合い(%)を見ます。


【より詳しく】

何故、動脈血の酸素濃度を測定するかというと、酸素を身体中に送る役目を担う赤血球(血液)は、巡りめぐって静脈を通って心臓の右心房に戻り、右心室を経て肺を循環します。肺循環では体内で発生した二酸化炭素を肺胞に捨て代わりに酸素を受け取ります。こうして、再び酸素に富み、二酸化炭素の少ない動脈血となり、左心房→左心室をへて動脈を通って全身に血液は運ばれます。動脈血中の酸素と二酸化炭素の濃度は、肺がどのように効率的に酸素を血液中に取り入れ、二酸化炭素を血液中から放出しているかを反映しているので、心肺機能を示す重要な指標になります。


【原理の説明】

パルスオキシメーターは動脈の酸素量を測っているのではありません。
光センサーにより、動脈の色を計測しています。 動脈血酸素飽和度(Spo2)を指先の毛細血管を流れる動脈血の酸化ヘモグロビン(オキシヘモグロビン:酸素分子と結合したヘモグロビン)と、還元ヘモグロビン(デオキシヘモグロビン:酸素分子と結合していないヘモグロビン)の吸光スペクトルの差を利用して測定します。
波長805nmと660nmの光を指先の爪上部より照射し、指の腹側に受光部を配置して測定しています。その際、動脈の拍動を利用するため、拍動が極端に弱かったり、動かない状態では測定できません。


【測定上の注意】

1. マニキュアや指の汚れ等、光の透過を妨げる物は取り除きます。
2. 血圧を測る際には、反対側の指を使って測定します。(血圧カフ装着により、拍動が弱くなるため)
3. 強い光(太陽光や手術光)のあたる場所では、布で覆って測定します。


【利用目的】

動脈血の酸素飽和度を簡便に計測できるため、麻酔管理や手術中、ICUでの患者のモニタのために用いられるほか、在宅酸素療法の患者指導などにも用いられています。

体に針を刺したり切ったりすること無くSpO2の測定を行う事が可能で、これにより心肺機能が常時正常であるかを知る事ができるため、予備的な健康診断手法として利用する事も可能です。

近年では登山者が高度順化の目安として携帯型パルスオキシメータを利用する例もあります。

また睡眠時を通して観測(データの記録)できる機器では、就寝中に呼吸が停止してSpO2が低下してしまう睡眠時無呼吸症候群のスクリーニング診断にも利用されています。

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