診療科目と料金表
(1) | お口の中の細菌叢は、位相差顕微鏡(生きたままの細菌が見られます)で確認できます。 |
(2) | 健康な細菌叢にするには、歯周ポケットの除菌が必要です。 |
(3) | この場合の除菌は、バリオス(院内探検参照)で汚れを取り、次亜塩素酸水で歯周ポケットを洗浄(新しい液を流し続けると、約10秒で殺菌します)して、まず嫌気性菌の減少を狙い、好気性菌(身体に害を与えない菌)の多い本来の口腔内細菌叢に変えて、歯周病の炎症を抑えます。 勿論、更に次亜塩素酸水の使用、自分に合った歯磨き、生活習慣を見直しをして、それぞれの歯に適切な咬合力がかかるように咬合調整をして、より良い口腔の健康を目指します。 |
※次亜塩素酸水は、人の組織に対して為害作用はありませんので、皮膚に付着しても、 目に入っても、また、飲んでも組織を損傷することはありません。
※PMTC: 歯科医院で、歯周ポケット内の細菌や歯石などの汚れを取り、傷ついた歯面を修復し、 歯面を滑沢にして、プラークの再付着を防止する、歯のクリーニングです。
1997年アメリカのノースキャロライナで、タフツ大学のドクターガルシアが歯周病の死亡率に与える影響について、「歯周病は殺人的である、フロスをせよ、さもなくば死だ」と講演をしました。
その後1999年に、ニューヨークタイムス誌が 「FLOSS OR DIE?」 と言うタイトルで、特集をして世界中にセンセーションを起しました。
その特集は、歯周病が単なる歯の病気と考えるのは危険で、全身の健康に影響を与える病気であることへの警告でした。
すなわち、糖尿病などの病気や喫煙などの生活環境が歯周病に悪影響を及ぼす原因になること、また、逆に重症の歯周病が心臓血管疾患や低体重児出産などの、全身疾患の原因になりえることを報道しました。
歯周病は、細菌感染で歯周組織に炎症が起きる疾患で、歯肉縁下の炎症部位で作られたケミカルメディ-ターが全身にちらばり、特定の部位で病気(糖尿病・肺炎・動脈硬化・早産・低体重児など)を誘発することがわかりました。
その後のリサーチで、歯周病が糖尿病・肺炎・動脈硬化・早産・低体重児などに影響することが明らかになりました。
歯周病は細菌感染で起こります。
原因菌は一種類ではなく下記の複数の菌が歯周病を起こすことが知られています。
歯周病はこれ等の菌が、歯と歯肉の間(歯周ポケット)に入り、歯槽骨を破壊して歯肉が腫れたり、歯が動くようになって、最終的には歯が抜けてしまう生活習慣病の要素が強い疾患です。
プラーク除去と歯石除去が治療のポイントです。正しい歯磨き(歯ブラシの毛先を当てる場所と角度、持ち方、順序、強さ、回数など磨き癖の修正)をすることが大切です。また、PMTC(プロフェッショナルな歯面清掃によるバイオフィルムの除去)も行います。
初期の治療の他に、歯周ポケット内の継続的な除菌が必要になります。継続的な歯周ポケット内の除菌で、歯周病を起こしやすい嫌気性菌の多い細菌叢を、歯周病を起こさない安全な好気性菌の多い細菌叢に変える必要があります。この細菌叢の変化は、位相差顕微鏡で判定できます。ここで、次亜塩素酸水が有効な除菌効果を発揮します。次亜塩素酸水は、人が持つ免疫と同じ殺菌剤(好中球の持つ殺菌能力)で歯周ポケット内の細菌を除菌する、生体に優しい歯周病治療です。
この他に、横からの咬合力(顎は前後左右に動きます)は、歯を揺さぶって歯周組織を破壊しますので歯周病で歯槽骨にダメージが多かった歯に対しては、横からの咬合力が加わらないようにな咬合調整が必要になります。また、咬合する面積も縮小することもあります。歯にかかる垂直の咬合力に対しては、歯根膜のシャーピー繊維は、歯をハンモックのように吊り下げていて、垂直の力には最も効果的な抵抗ができるようになっています。
上記の治療の他に、咬合力に負けないように、歯を連結することが必要になります。1本の歯にかかる咬合力は60kgになります。歯周病でダメージを受けるのは歯槽骨です。日本人の平均的な歯根の長さは約 12mmで、5mm以上歯槽骨が歯周病で無くなると、1本だけで咬合力に対して、充分な抵抗(咬むと痛くなったり、歯肉が腫れたり)をすることが難しくなります。咬合調整や隣の歯と連結して、歯の保存を図ります。また、歯に横からの揺さぶる咬合力がかからない、1口50回と言う食べ方をして頂くことになります。この1口50回と言う咬み方は、古来から健康の元と言われているものです。更に、硬いものは調理を工夫して頂くか、避けてもらうことになります。自分で行う歯磨きには、歯間ブラシも併用して頂き、食後毎回必ず使用して歯と歯の間の除菌をして頂くことになります。次亜塩素酸水は、必需品となります。