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良く咬むこと、すばらしい唾液
生涯にわたり、好きなものが食べられることはとても大切なことだと考えています。食と運動は、健康を保つ基本的な要素で、これを抜いて健康を語ることはできません。
食べることは、生きることであり、また生活を豊にしてQOLを高めます。歯科からの提言として、良く咬むことは、口腔の機能を使うことで、唾液の分泌を促し、嚥下が容易になります。このことは、嚥下障害・誤嚥性肺炎の予防をしていることになります。
このよく咬むことと、唾液の分泌は、身体の若さを保つ素晴らしい効用があります。その効用を詳しく書いてある本を2冊紹介したいと思います。
1. 良く咬むことの長寿学

噛めば体が強くなる

食の歪みを正す

「食の歪みを正す」「噛めば体が強くなる」
著者:西岡一より

ガンの予防

口は食べ物の第一関門です。食べ物に含まれる発ガン物質を噛み砕き、毒消しをします。

歯を丈夫にする

噛めば噛むほど、歯は丈夫になります。また歯茎も強くなります。人生は長いのです、自分の歯を長く使うために、良く噛んで下さい。

肥満防止

良く咬むことは、食事が早食いにならず、血糖値も食事中に上がり、食べ過ぎを防ぎ、ダイエットにもなります。また、自律神経の活性も高まり、カロリーはすぐに体温として放散されてゆきます。これを体熱放散と言いますが、よく噛むと、まったく噛まないときより、倍以上高くなります。

ボケ防止、子供は頭が良くなる

良く噛むことによって、脳への血行量が増加し、神経細胞の代謝が活発になります。子供では、よく噛むことによって、脳の局所での血行が高まり脳機能の発達に効果があります。社会人でも、精神活動が高揚され、仕事への意欲が増し、作業の効率が高まります。

抜け毛の防止

これは私の唱える説です。
頭の血行が良くなれば、当然、毛髪の栄養も行きわたるはずです。 良く噛むことは、畑を耕して野菜を育てるのと、よく似ています。

家族の団欒が生まれ、家庭が円満になる

食事時間が長くなり、話題がうまれ、話がはずみ、明るい楽しい時間を作ることになります。当然、家庭は明るく、少年非行が生まれる余地はありません。

老化防止

咬むことで、頭蓋骨底部を物理的に刺激して、ボケの予防になります。 唾液には、有名な若返りホルモンと言われるパロチンが含まれています。 パロチンには、骨や歯の再石灰化を助けて丈夫にし、皮膚の代謝を活発にして、シミやシワを防ぎます。

歯を失っても

柔らかい加工食品に頼ることが多くなるので、噛まないことになってしまうので 唾液の分泌量も少なくなり、その素晴らしい効果が期待できなくなります。よい入れ歯を入れて、自分の歯と同じように、よく噛んで、唾液を分泌して食生活を楽しんでください。

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2.すばらしい唾液

「よく噛んで食べる」著者:斉藤滋より

[唾液の主な成分と機能]
  • ムチン : 粘り気のある糖タンパク
  • アミラーゼ : デンプンを分解し麦芽糖にする
  • リゾチーム : 抗菌作用
  • ペルオキシダーゼ : 活性酸素を分解する酵素
  • シスタチン : 蛋白質分解酵素阻害作用
  • スタテリン : カルシウムと結合して歯を強くする
  • ガスチン : 亜鉛と結合して味覚の働きを敏感にする
  • ラクトフェリン : 鉄分と結合して、細菌の育成を抑制する
  • アルブミン : 口の中を滑らかにして乾燥を防ぐ
  • 免疫グロブリン : 糖を分解する酵素
  • プチアリン : 抗菌作用
  • パロチン : 老化防止ホルモン
  • ① むし歯を再石灰化で防ぎます。 歯の表面に着いたプラーク中のPHが5,4以下になると、歯の表面のハイドロキシアパタイトが溶けてきます。これがむし歯の始まりです。しかし、口のPHは唾液の働きで40~60分ほどで中性になり、スタテリンの作用で再石灰化が始まります。しかし、磨き残しのプラーク中のPHは低いままとなりで脱灰が続きむし歯になります。
  • ② 細菌に抵抗して、口臭も予防します。 細菌からの感染をその抗菌作用で守っています。嫌気性菌の発育抑制は、口臭の発生予防になっています。
  • ③ 消化を助け、病気を防いでいます。 消化するということは、栄養を吸収すると言うことだけでなく、外部から入ってきた異物(食物)を異物としての抗原の働きを完全に消失するまで、分解することです。ご飯やパンに含まれるデンプンは、蛋白質の100倍以上の大きな分子で、胃では分解れず、唾液やすい臓から分泌されるアミラーゼで分解されて小さな分子のブドウ糖となり、小腸から吸収されます。よく噛んだ食物は、胃を荒らしません。
  • ④ 発ガン物質の働きを抑える。 ペルオキシダーゼには、食品添加物(防腐剤、カビ毒、おこげ、たばこのヤニなど)や生体の異常によって発生する有害な活性酸素を消去する作用があることが判りました。個人の生活状況や体調で、その効果は変わります。アミラーゼやカタラーゼにも発ガンの働きを弱める効果があります。
  • ⑤ 味がよくわかる。 グルメになりたかったら、よく噛んで下さい。アミラーゼには、味をよくする酵素が含まれています。ガスチンには味覚を敏感にする作用があります。
  • ⑥ 身体が若返る。 パロチンは、上皮細胞や脳細胞の成長を促進させる働きがあります。よく噛むことで、唾液をだせば、若々しい細胞を保つことが出来ます。
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