虫歯を予防するには
- ① レーザーによる虫歯チェック(臼歯咬合面の健康度のチェック)
- ② その人に合った歯磨き(ミュータンス菌の除菌)
- ③ フッ素の使用(歯の強化)
- ④ シーラントの応用(6歳臼歯の咬合面形態への対応)
- ⑤ 唾液検査(虫歯になりやすいお口のチェック)
- ⑥ 生活習慣(お口の酸性状態のリスク度チェック)
ダイアグノデント(院内探検の項目参照)により、咬み合わせの溝の状態を測定することができます。
この測定結果をふまえて、④のシーラントによる虫歯予防をおこないます。
計測値の変化を調べてゆくと、健康・虫歯の始まり・虫歯の進行状態をチェックすることが出来ます。
一見、虫歯ではないようですが、ダイアグノデントでは象牙質に達する数値でした。
歯の形や歯並びなど、口腔の形態は人それぞれに異なりますので、磨き残しがない自分に合った歯磨きをしているか、かかりつけ歯科医院でチェックして、虫歯のリスクを下げて下さい。
歯科医院で、プラークを赤く染め出してみると、自分の歯磨きの欠点が良くわかります。
【フッ素の作用】
- エナメル質の表面の結晶構造ハイドロキシアパタイトを耐酸性のフロロアパタイトに変えます。
- 歯の表面から溶け出した、カルシウムやリンを元に戻します。
- 細菌の活動の抑制。
フッ素は、萌出したばかり歯に2回の塗布が最も効果があります。
また萌出後の歯に対しての定期的な塗布は、虫歯予防にとって欠かせない基本的な予防処置です。
6歳臼歯は、咬み合せの要となる大切な歯です。
しかしながら、この歯は虫歯になりやすく、また、失うのが最も早い歯です。
この歯を失うと、咀嚼効率は大きく低下することが知られており、6歳臼歯のある無しで、学力が変わるとの報告もあります。
歯は人により、それぞれ微妙に違う形態をしています。
特に、奥歯の咬み合わせの面の溝は、浅いものから深いものまで様々で、深い溝ではプラークが溜りやすく、磨いても中々きれいにすることが難しく、正しく磨いていても虫歯になることがあります。
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小臼歯を上から見た図で真ん中に溝が見えます。 |
その溝を、横から顕微鏡で見ると深い溝があり、虫歯になっています。 |
ダイアグノデントで測定すると、溝が健康か虫歯になっているかを測定することができます。
シーラントは、虫歯にならないように、この溝を埋めてしまう処置で、奥歯の虫歯予防に大きな効果があります。
食べたり飲んだりすると、お口の中が酸性になり細菌が活発に活動し、酸を産生して虫歯が進行します。
唾液緩衝能と唾液量は、その酸性を中和し・薄めて、お口の中を中性に保ち、細菌の活動を抑えます。
この唾液の緩衝能と量を調べることで、虫歯になりやすい状態のお口かどうかが解ります。
※唾液の働きについては「良く咬むこと、すばらしい唾液」の項目に詳述してあります。
食べたり飲んだりすると、お口の中が酸性になり細菌が活発に活動し、酸を産生して虫歯が進行することは唾液検査の項目で記載いたしました。
お口が酸性(pH5,4以下)になると、歯の表面からカルシウムとリンが溶け出します、これを<脱灰>と言います。
お口が中性に戻ると、溶け出したカルシウムとリンは元の歯の表面に取り込まれます、これを<再石灰化>と言います。
お口の酸性になっている時間が長ければ長いほど、脱灰は大きくなり、その後、中性になって再石灰化が起こっても、元の状態に修復することができなくなり、むし歯が始まります。
このため、他のチェック項目が良くない場合には、できるだけお口を酸性にしないことが、むし歯の予防になります。
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赤い色の部分で脱灰が起こっています。 |
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間食が多いほど、赤の部分が長く続き、歯にダメージを与えます。 |