お口の衰え? (オーラルフレイルとサルコぺニアとは)
オーラルフレイルとサルコぺニア(衰え)
それぞれ「お口の衰え」「筋肉の衰え」を表す言葉です。
たくあんやスルメイカなど硬い物を残す、お茶を飲むとむせる、ちゃんと話しているのに、聞きとれない等…
- 咀嚼機能の低下:むせる
- 嚥下機能の低下:こぼす
- 滑舌の低下:聞きにくいと言われる
衰えは、少しずつ進むので、自分では自覚しにくいようです。
お口の衰えが進むと
食べ物が食べにくくなる
↓
栄養が不足したり偏ったりする : 好きなものしか食べない
↓
身体機能が低下 : 筋力の低下(立てない、歩けない)
↓
社会的孤立 : 出歩かなくなる
↓
寝たきり・認知症の発症
健康を維持するのために必要な栄養が摂れないので、全身の運動機能や脳が衰えて、寝たきりになるリスクが高くなります。
千葉県柏市の高齢者2,000人を調査した結果でも、老化の最初の兆候は、むせる・こぼす・滑舌低下が、現れることが分かりました。
■予防・対策
- ① お口の定期的なチェック(食事が快適にできる)
・快適に、右にも左にも咬める歯がある(入れ歯でもOK)
・むし歯・歯周病の予防、顎の状態などのチェック
・口腔ケア(正しい歯磨き)のチェック
- ② 食事はゆっくり、咬む回数を増やす
- ③ 舌や表情筋のトレーニング
- ④ お口のトレーニング
・アイウベ体操
・顔面体操
・舌体操
・唾液腺マッサージ
1. 口を大きく開き「あー」
2. 口を大きく横に広げ「いー」
3. 口を強く前に突き出し「うー」
4. 舌を突き出して舌に伸ばし「べー」
これを1セットとして、1日に30セット程度無理のない範囲で行います。
ポイントは発声を小さく、口の動作は大きくです。
- ⑤ できたら、外出すること
- ⑥ 会話をすること
よく咬むこと 唾液の力
- 脳への血液量が増加して、脳の活性化を促します。
- 若返りのホルモン(パロチン)が耳下腺から分泌されます。
パロチンは上皮細胞の代謝を活性化し、若々しい肌を保ち、シミ・シワを防ぎます。
- 唾液に含まれるペルオキシダーゼは 身体に有害な活性酸素を取り除いて、食品添加物の毒消しができます。
- 唾液には、血液よりも免疫に関する多くの物質が含まれています、良く咬むことは、免疫力を高めることになります。
- ダイエット効果があります。よく咬んだ場合は、カロリーは体熱放散(DIT)により、すぐに体温としてどんどん放散されます。
直接胃に送り込まれた場合には、体脂肪として蓄積されます。咬まないと太ります。
- 再石灰化を促進し虫歯を防ぎます。
唾液には、カルシウムとリンが含まれていますので、脱灰した歯の表面の修復が起こります。
- よく咬むことは、顔面筋を動かし口元を引き締め表情が豊になります。
顔の筋肉とくに顎の筋肉の運動不足は、顔のたるみ・むくみ・二重顎の原因にもなります。
(西岡一:咬めば体が強くなる)