Care Netからの報告
「歯周病」と「関節リウマチ」の関連
関節リウマチは過剰な免疫反応による慢性的な関節炎で、関節以外のさまざまな身体システムにも影響を及ぼすことがある。100年以上も前から、関節リウマチ患者に歯周病がみられる確率が高いことが知られており、共通する因子の存在が疑われていた。
近年、関節リウマチ患者では歯の数が少ないほど重症度が高い傾向が認められており、歯周病患者は関節リウマチになる確率が2倍であることも報告されていたが、その理由は不明のままであった。
今回の研究では、関節リウマチ患者の歯肉より採取した約200の検体について、A.actinomycetemcomitansと呼ばれる歯周病関連菌の有無を調べた。
関節リウマチ患者のほぼ半数に感染の徴候がみられたのに対し、歯周病も関節リウマチもない集団では11%であった。
この結果から、歯周病と関節リウマチがいずれもこの細菌に起因している可能性が示される。細菌が歯周病を引き起こした後に一種の副作用として関節の腫れをもたらすか、あるいは逆に歯周病が関節リウマチの副作用であるとも考えられる。
※この研究は「Science Translational Medicine」オンライン版に12月14日掲載されました。
A. actinomycetemcomitansは、通性嫌気性のグラム陰性桿菌で、身体の免疫反応の際に働く細胞である「好中球」を壊し、侵襲性歯周炎(若年性歯周炎)の原因菌とも言われています。
若い方でも、急速に歯槽骨の破壊・消失が起きますので、早期に治療することが大切です。
かかりつけ歯科で定期検診を受けていれば、すぐに分かる歯周病です。